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電子債権(でんさい)のメリット

IT技術の進歩とともに生まれた画期的な決済システム「でんさい(電子記録債権)」。これを利用することによるメリットを、利用する立場ごとにご紹介します。

でんさい(電子記録債権)利便性のキーワードは「ペーパーレス」

日々の商取引等を行なうなかで、商品の売買代金など将来決済すべき債権(債務)が発生しますが、「電子記録債権」はそれらの決済すべき内容を電子債権記録機関「でんさいネット」が持つ記録原簿に記録することで、債権・債務を発生させたり、譲渡できる新しい決済手段です。
「でんさいネット」には全国の金融機関が幅広く参加しています。
ユーザーは、パソコンやファクシミリを使って手続きが完結しますので、迅速、簡単、安全に債権・債務の発生・譲渡などを行なうことができます。「でんさい」の利便性のキーワードは「ペーパーレス」であることです。

支払企業のメリット

商品などを仕入れると、それに対する支払い義務(負債)が発生します。現金払いでは、取引金額が大きい時や遠隔地間の取引の場合、運搬費負担や紛失・盗難のリスクがあります。それを解決する方法として手形や小切手が使われてきました。手形や小切手は現金よりも扱いやすいといえますが、紛失・盗難のリスクは解消できません。
「でんさい」は、手形や小切手でも解消できなかったリスクを解消できるシステムだといえます。

■手形の振出に伴う事務手続きや搬送にかかる負担の削減

券面を用意しなければならない手形を振出すには、面倒な事務作業が必要でした。また、手形を郵送する際にも、紛失などのリスクを考えて郵便局に出向いて書留を利用したり、運送保険に入ったりと手間ばかりでなくコストもかかります。
「でんさい」はパソコンやファクシミリを使って、社内でデータ送信作業をするだけですので、そのような手間やコストはかかりません。

■手形にかかる印紙税負担などの削減

手形を振出す場合、額面金額500万円につき1,000円、1,000万円で2,000円、3,000万円で6,000円、1億円で2万円など、法律で定められた印紙税がかかります。その他、手形の枚数が増えれば、手形帳代などのコスト負担が大きくなります。「でんさい」は印紙税の課税対象外ですので、これらの負担はありません。

■支払いを一本化

従来は、手形の振出、銀行振込など、取引相手や取引内容によって別々の手段を採って、管理も決済方法ごとに行なっていました。高い利便性を持つ「でんさい」ではこれを一本化することができますので、事務の効率化が図れます。

受取企業のメリット

代金を受取る側(商品を納入した企業、債権を持つ側)の会社にも手形にまつわるさまざまな負担やリスクが軽減され、利便性が向上します。

■物理的な保管が不要、紛失や盗難リスクを排除

券面のある手形では物理的な紛失や盗難のリスクがあり、金庫等で厳重に保管しなければなりませんが、ペーパーレスの「でんさい」ではその必要がありません。
また、偽造などの心配もありません。ただし、パソコンやファクシミリを使用しますので、データ通信のセキュリティを強化する必要があります。

■必要な分だけ譲渡や割引

手形は一枚の券面に書かれた金額をそのまま譲渡や割引することになります。
一方、「でんさい」では、例えばA社に対する500万円の債権のうち100万円だけをB社に譲渡したり、200万円だけを割引することができます。
資金効率がよく、必要最小限を割引くことで割引料(金利)を節約することができます。ただし、分割毎に手数料がかかってきますので注意が必要です。また、「でんさい」は流通性の高い債権ですので、これまで資金繰りのために利用できなかった債権であっても譲渡や割引などが可能となり、無駄なく有効に活用することができます。

■取立が不要

手形は支払期日(満期日)が来ると、銀行に出向いて面倒な取立手続きをしなければなりません。その点、「でんさい」は自動的に自社の銀行口座に振込が行なわれ、電子メール等で連絡がくるので、受取り側はパソコンで口座残高を確認するだけの作業で済みます。

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