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手形決済のメリットとデメリット

手形を利用したことがない人にとってみれば、「なんでわざわざ手形を振出すの?」、「手形決済をするメリットは何?」と疑問を抱くでしょう。紙幣の役割を担う手形には、皆さんの知らない様々な便利な仕組みが隠されているのです。ここでは、手形の気になるメリット、デメリットを紹介していきたいと思います。

メリット1:資金繰りのコントロール

手形を振出すと、事実上、支払期日を延ばすことができます。もちろん、受取人の同意が不可欠ですが、同意さえ取れれば、手形の支払期日までに現金を用意すればいいので、支払うまでに猶予が与えられます。
先方にも、支払いの延期をお願いするよりも手形を振出すと折衝したほうが同意を得やすいでしょう。

例えば、原材料を仕入れてモノを製造、販売する会社があるとします。商品の販売代金(売上)の入金は3カ月後なのに、1カ月後には原材料の仕入れ代金を支払わなければいけません。

このような状況だと、現金を工面するのは非常に難しく、手形がプラスに働きます。
支払いまでにある程度の期間が取れる手形は非常にありがたい決済方法です。入金と支払いのタイムラグを調整して、資金繰りをコントロールできるのは大きなメリットと言えます。

メリット2:金利がかからない

金融機関からお金を借りた場合は、完済するまで利息を払い続けなければいけません。その点、手形であれば利息はかからず、期日到来まで支払いを先延ばしにすることができます。

また、手形を銀行から得たということは厳しい審査に通ったということで、社会的にも信頼度が増すというメリットがあります。
他にも、手形を利用して支払いを先に延ばして、手元にある資金を元に別の商品の仕入れを行うなどしてビジネス拡大のチャンスも得られます。

デメリット1:倒産の危機も……

手形を振出す最も大きなリスクは、支払期日(満期日)に手形通りの支払いができない事態が起きるということです。
支払期日になって、万が一、当座預金残高が足りなかった場合、受取人に手形の額面金額を支払うことができずに、不渡りを出します。

一度不渡りを出すと、手形交換所の規則に基づいて「不渡り処分」を受け、すべての金融機関に通知されます。6カ月以内に2回目の不渡りを出すと銀行取引が停止され、当座預金取引と融資を2年間受けることができなくなってしまいます。事実上の倒産と見なされ、社会的信用を失うことも。

もし手形を振出していなければ、取り引き先と交渉して支払いまでの期日を延ばしてもらったり、銀行から融資を受けるなど倒産を回避するいくつかの術があります。
しかし、1度でも手形を不渡りにしてしまうと、銀行から当座預金取引の停止や融資を受けられないという重い処分が下されるために、倒産を招く危険性を高めることになるのです。

デメリット2:コスト、その他

手形を振出す場合、手形の額面金額500万円で1,000円、1,000万円で2,000円、3,000万円で6,000円、1億円で2万円と、それぞれ金額に応じた印税紙が必要になります。
金額が大きかったり、手形の枚数が増えれば、それなりの費用が掛かってきます。
また、銀行によって金額は異なりますが、手形帳代(手形専用紙)の費用も掛かります。

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