
手形割引の手数料について
手形割引を行う際は、割引人となる金融機関に手数料や金利を支払う必要がありますが、これをまとめて「手形割引手数料」といいます。
その中で手形にかかる金利のことを「手形割引料」といいます。
手形割引は手形を担保にした融資と見なされるため、金利が課されます。この手形割引料に、金融機関の手数料を加えた金額が手形割引手数料になります。
手形割引手数料の計算
それでは、手形割引手数料がどのように計算されるのか見てみましょう。手形割引手数料は以下の式で計算できます。
(a)手形額面金額×(b)手形割引利率×(c)支払い期日までの日数÷365日=手形割引料
手形割引料+(d)取立手数料=手形割引手数料
以上の計算式の(a)~(d)、それぞれの項目について、詳しく見ていきます。
(a)手形額面金額
手形額面金額とは、手形に記載された金額、つまり期日になったら支払われる金額のことを指します。手形割引を依頼して受け取れる金額は、手形額面金額から手形割引手数料が引かれた金額になります。
(b)手形割引率
手形割引率とは、手形割引人に対して支払わなければならない金利のことです。手形割引率は、手形割引依頼人と割引人との間で取り決められます。また、割引手数料はほとんどの場合、手形割引の依頼日を始点とした「年利」として計算されることになります。
(c)支払い期日までの日数
(b)で説明したように、多くの場合、手形割引率は年利になります。したがって、「手形が決済される=融資を返済する」までの期間が一年未満の場合、手形割引率は日割りで計算されることになります。この日割り計算をする際に注意しなければならない点は、手形の支払期限と支払い先の休業日が重なってしまった場合です。
この場合は、翌営業日までの日数がプラスされます。
(d)取立手数料
取立手数料には手形交換の際の手数料等が含まれています。割引人によって異なりますので、事前にチェックしておきましょう。
手形割引の計算例
それでは、手形割引の実例を見てみましょう。手形額面金額を1,000,000円、手形割引率を年利5%、支払期日を3ヵ月後、取立手数料を648円と仮定します。
(a)手形額面金額: 1,000,000円
(b)手形割引率: 年利5%
(c)支払い期日までの日数: 90日
(d)取立手数料: 648円
(a)~(d)を先ほどの計算式に当てはめます。
1,000,000円×5%(0.05)×90日÷365日=12,328円(小数点以下切捨て)
12,328円+648円=12,976円
よって、手形割引手数料は12,976円となります。割引依頼人が実際に受け取る金額は、手形額面金額から手形割引手数料を割り引いた額になるので、
1,000,000円-12,976円=987,024円
以上により、987,024円が割引依頼人に支払われます。