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手形割引の仕分け方法

手形を支払期日よりも前に現金化したいときには、銀行や手形割引業者に「手形割引」を依頼することができます。額面金額から「手形割引料」や「取立手数料」が差し引かれますが、必要なときに現金化できるのが最大のメリットです。
手形割引を行う際には、手数料が引かれるために、その分の会計処理が必要になってきます。ここではその処理方法を紹介していきたいと思います。

3つの処理方法

手形を割引しなければ、手形額面金額すべてを受け取ることができますが、手形割引を行うと、支払金利として「手形割引料」や「取立手数料」などが差し引かれます。
割引手形の会計処理としては、3つの方法(直接減額法、評価勘定法、対照勘定法)があります。

直接減額法

これが一般的な方法です。割引をした時に、受取手形を直接減額処理します。
例えば、A社からの受取手形「額面10万円、満期日10月31日」を割引し、割引料500円と取立手数料648円(うち消費税48円)が引かれて、残金98,852円が当座預金に入金されたとします。

(借方) (貸方) (摘要)
当座預金 98,852円 受取手形 100,000円 割引 A社10/31期日
割引料 500円
支払手数料 648円

この方法では、手形が満期を迎えて決済された場合の会計処理はありません。ただし、満期日に振出人が支払いできずに不渡りを出してしまった場合は、割引依頼人がお金を返済することになります。
その場合、手形所持人に対して支払ったお金をA社に対して請求できますので、支払った金額を「不渡手形」として処理しておきます。

10月31日にA社の手形10万円が不渡りになり、10万円を現金で返済した場合の仕訳は……

(借方) (貸方) (摘要)
不渡手形 100,000円 現金 100,000円 不渡手形 A社10/31期日

 

評価勘定法

評価勘定法は、手形を割引いたときに直接受取手形を減額するのではなく、割引手形という勘定を使って受取手形の減少を表します。上記の例と同じく、A社からの受取手形「額面10万円、満期日10月31日」を割引し、割引料500円と取立手数料648円(うち消費税48円)が引かれて、残金98,852円が当座預金に入金されたとします。

(借方) (貸方) (摘要)
当座預金 98,852円 割引手形 100,000円 割引 A社10/31期日
割引料 500円
支払手数料 648円

そして、10月31日に同手形が満期を迎えて、無事に決済された場合の仕訳は次の通りです。

(借方) (貸方) (摘要)
当座預金 100,000円 受取手形 100,000円 A社10/31期日

また、10月31日にこの手形が不渡りになり、10万円を現金で返済した場合の仕訳は……

(借方) (貸方) (摘要)
不渡手形 100,000円 受取手形 100,000円 不渡手形 A社10/31期日
割引手形 100,000円 現金 100,000円 不渡手形 A社10/31期日

対照勘定法

対照勘定法は、直接減額法の仕訳に「手形割引義務見返」、「手形割引義務」という対照勘定を追加して処理します。これは「現在いくら割引中であるか」ということが明らかになる処理方法です。

A社からの受取手形「額面10万円、満期日10月31日」を割引し、割引料500円と取立手数料648円(うち消費税48円)が引かれて、残金98,852円が当座預金に入金されたとします。

 

(借方) (貸方) (摘要)
当座預金 98,852円 割引手形 100,000円 割引 A社10/31期日
割引料 500円
支払手数料 648円
手形割引義務見返 100,000円 手形割引義務 100,000円 裏書譲渡 A社10/31期日

そして、10月31日に同手形が満期を迎えて、無事に決済された場合の仕訳は次の通りです。

(借方) (貸方) (摘要)
手形割引義務 100,000円 手形割引義務見返 100,000円 A社10/31期日

また、10月31日にこの手形が不渡りになり、10万円を現金で返済した場合の仕訳は……

(借方) (貸方) (摘要)
不渡手形 100,000円 現金 100,000円 不渡手形 A社10/31期日
手形割引義務 100,000円 手形割引義務見返 100,000円 不渡手形 A社10/31期日

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