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でんさいとファクタリングの違い

債権の現金化の手段として類似しているように見える「でんさい(電子登録債権)」と「ファクタリング(売掛債権買取業務)」は、どのような共通点と違いがあるのでしょうか。

「でんさい」と「ファクタリング」の共通点:システムを使って譲渡ができる

「でんさい」は、企業間の債権(売掛金など)を電子的に記録して管理する仕組みで、その債権の譲渡や割引も、パソコンやファクシミリを使って行なうことができます。
一方、「ファクタリング」は、債権の支払企業と受取企業がファクタリング業者(金融機関等)と契約して、受取企業はファクタリング業者にその債権を譲渡することができます。この2つの共通点は、次の通りです。

■受取企業(商品等を納入する側の企業)は売掛債権を譲渡することができます。
■債権を譲渡することにより、受取企業は支払期日前に現金を受取ることができます。
■支払期日が来ると、支払企業の銀行口座から資金が引落とされて、決済されます。
■システムを使って自動的に手続きが行なわれます。

相違点は、ネットワークと保証

このように「でんさい」と「ファクタリング」は、債権を譲渡して支払期日前にお金が受取れる点とそれがシステム化されている点では同じです。では、両者の違いはどういったものなのでしょうか。

■ネットワークの違い

「でんさい」は、株式会社全銀電子債権ネットワーク(通称「でんさいネット」)が記録機関となって運営されています。債権の支払企業・受取企業は、銀行等のシステムを通じて、「でんさいネット」にアクセスします。
「でんさいネット」には全国銀行協会が100%出資して設立したもので、1,300を超える金融機関が参加しています。これは金融業界を挙げての取り組みであり、従来からある銀行間の決済システムを利用していることが大きな特徴です。
このことから、支払企業・受取企業は、自社がそれぞれに口座を持っている銀行(金融機関)がこれに参加していれば、新たな口座を作ることなく、また、取引先が増えても新たに契約を結び直すことなく「でんさい」を利用することができます。
「でんさい」はどこの銀行を通じて手続きを行っても、全国統一の書式となっているところも利便性が高いポイントとなっています。

一方で、「ファクタリング」は、あくまでも個別のファクタリング業者を通じての取引となりますので、取引先が増える都度、ファクタリング業者を交えて契約を締結する必要があります。

■保証の有無

「でんさい」を譲渡する場合、譲渡する企業は保証人になります。したがって、支払企業がその債権を履行できなかった(支払うことができなかった)場合には、譲渡した企業は保証人として支払い義務を負うこととなります。
一方、「ファクタリング」は、その債権をファクタリング業者が買い取る形となりますので、支払企業が支払いを行わなかった場合でも、譲渡した企業は代わりに支払う義務はありません。
そのため、「ファクタリング」では、貸倒れのリスクを負わずに支払期日前にお金を入手することができますので、「ファクタリング」の方が「でんさい」よりも財務諸表の健全化の上ではメリットが大きいことになります。
ただし、債権を買い取るファクタリング業者自身が貸倒れリスクを負うことになりますので、譲渡するための手数料(割引料に相当する金利相当分)は「でんさい」よりも高くなる場合もあります。

なお、最近では、各銀行で「でんさいファクタリング」というサービスが提供されています。これはでんさいネットに登録された債権を銀行が買取るもので、譲渡する企業は保証人になる必要がないため、銀行版の「ファクタリング」であるといえます。

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